2007年2月13日 (火)

Ivoryを使ってリアルなピアノを再現

●はじめに
MIDI CLASSICSのサイトを運営しているうちに、とある方から「新着情報だけでもブログで・・・」というお言葉を受けて、それならば他にも言葉にできそうなものをここに載せてみようかなぁ と、こうしてこのページを始めることにしました。

初回の書き込みは、いま急速にはやりつつある「ヴァーチャル・インストゥルメント」についてです。
MIDIを作っていれば、やがては訪れるであろう よりリアルな世界。最近手に入れたIvoryという、ピアノのソフトウェアシンセサイザーを使って作ったものをご紹介することにします。

このブログでは、これからのニーズも考えて、今起きている実情を、自分の懐具合とも考えながら(笑)お伝えしたいと思います。
●VSTとは?
これまで音楽制作のスタジオの現場では、外部にあるエフェクターなどのハードウェアを繋いでそこに信号を送り、戻ってきた信号をミックスするなどしてきたのですが、これらをソフトウェア上でできるようにしてしまおうという事が、数年前から盛んに行われてきています。
つまりは、コンピューターのソフトウェア上で、これらのすべてを行ってしまおうという試みで、「仮想空間(ヴァーチャル)にあるスタジオのテクノロジー」と言うことで、この頭文字を取ってVSTと通称するようになりました。
こうすることで、実際のスタジオと同じような(あるいはそれ以上の)ことがコンピューターだけでできるようになってきたわけです。
VSTという名前は、これを提唱をしたスタインバークというソフトウェア会社がこのテクノロジーを推し進めたことに端を発しています。
これらのテクノロジーの中には様々な分野のプラグインがあって、この規格に従ったものであれば、ソフトウェアの垣根を越えて利用できるような仕組みになっています。
●DTMとVST
これらのテクノロジーの中で、DTMの世界で特に注目されつつあるのがソフトウェアシンセサイザーの存在です。
今まで、なぜ外部のハードウェア音源を使ってきているかというと、より良い音での再生を目指していることが主眼となっているからで、実際これらで作成されたMIDIデータは、それなりに高音質で、PCにネイティヴのMIDI再生環境でも互換性が高く、汎用性という点で優れているものです。
しかしながら、世の中はこれでも満足できないようになってきました。
つまり、「もっと良い音で音を作りたい」という願望の元では、これらの限界は低くなってきました。 <ハードである以上普通では中身を変えることができません。>
この点、ソフトウェアの場合には選択肢が大幅に増え、ありとあらゆるものを試すことができるようになってきます。
こうした中から、よりよい音で、よりリアリティーのある音で音楽を作っていこうということが最近のトレンドになりつつあります。
もうすでに、TVや映画、コマーシャルの世界でもこれらを使った音楽があふれ出しているのに気づくことが多いと思います。
●VSTを使うには・・・
これらはプラグインというスタイルを取っているため、利用するにはホストアプリケーションと呼ばれる、シークェンスソフトなどが必要になります。
そして、そのホストアプリケーションがVSTに対応できていることが必要になります。
●ソフトウェアシンセサイザーの実際
基本的には最終的な音質を決定してしまうのは「サンプリングの質」と言えます。
そのため、いかにサンプリングの質の良いものを手に入れるか? が命といっても過言ではないでしょう。
もちろん、MIDIデータの段階での演出能力や、音を仕上げるためのエフェクターの使い方のテクニックの腕前も関わってはくるのですが・・・

ここではMIDI CLASSICSの中からピックアップしたMIDIデータを、実際にソフトウェアシンセサイザーを使って再生したものをMP3でお聴きいただきましょう。
◆ピアノ音源の実際 ・・・
ここで使ったのは、SYNTHOGY社の「Ivory」というピアノのソフトシンセです。
名前の由来はおそらく、高級なピアノの鍵盤には象牙が使われていたという、そうした事からでしょうか?
なぜこれを手に入れたかというと、サイトに行って聴いたサンプルの音の中ではこれが一番良さそうだったことと、サンプリングされたものの多さ、後は直感です。(笑)
では実際にいくつかお聴きください。
●ドビュッシー 沈める寺院 べーゼンドルファー 290 インペリアル
●ラヴェル 道化師の朝の歌 べーゼンドルファー 290 インペリアル
●リスト 愛の夢 3 べーゼンドルファー 290 インペリアル
●フォーレ リディア SC-8850のフルートとのコラボ
●ショパン ノクターン20番 遺作 べーゼンドルファー 290 インペリアル
●ショパン マズルカ Op.17, No.2 べーゼンドルファー 290 インペリアル
●ショパン マズルカ Op.17, No.4 べーゼンドルファー 290 インペリアル
●エチュード Op.10 No.5 「黒鍵」 べーゼンドルファー 290 インペリアル
●ドビュッシー 雪の上の足跡 ドイツ・スタインウェイ D9
●グラドゥス・アド・パルナッスム博士 ドイツ・スタインウェイ D9
●ドビュッシー 雪が踊っている ドイツ・スタインウェイ D9
●ゴリウォーグのケークウォーク ドイツ・スタインウェイ D9
●ドビュッシー 月の光 ドイツ・スタインウェイ D9
同じ条件で微調整したものです 聴き比べ・・・ べーゼンドルファー 290
聴き比べ・・・ YAMAHA C7 グランド
意地悪な聞きくらべです。 同じデータからですが、ベロシティのカーブは若干いじらないと曲にならないので、多少の手直しはしてあります。 スタインウェイはタッチのチョットした差で音が大きく変わってしまいます。メゾピアノからピアノの音圧あたりでの弾きこなしが難しそうです。そして、チョットでも強く弾けば途端にきらびやかになります。その代わりうまく使えば表現力が大きいのかも知れません。

調律はストレッチを選択し、A音 439.5Hz+ファインピッチ3セント高くしてあります。
ここにあるMP3ファイルは試聴用にのみ公開しているものです。
無断での複製・転載は固くお断りします。
Copyright(C) Windy softmedia service 2007 All rights reserved.
Ivoryなどのソフトウェアはこちらで最安値で購入できます。→サウンドハウス
SYNTHOGY Ivory 1.5 Grand PianosSYNTHOGY Ivory 1.5 -Grand Pianos
べーゼンドルファー290の豪華な音や、スタインウェイD9の繊細な音などがかなりリアルにセッティングできます。 Mac版のみの時からかなり評判のソフトシンセがついにWindows対応。 Windyの自作PCでも問題なく稼働しているのはお聴きの通です。
●ちょっと説明・・・ <Ivoryのハンドリングレポート>
インストール
このIvory DVDが10枚付いてきます。 その中にプログラムソフトウェアとそれぞれのピアノのインストゥルメントが入っていて、これらをすべてハードディスクにインストールすることも、各ピアノを個別にインストールすることもできます。 インストゥルメントファイルは、インストール先に起動ドライブとは別の、できるだけ高速なハードディスクを選ぶように薦められています。 これは実際にロードしてみるとわかるのですが、かなり大きなサイズなので、ロードに要する時間と再生時に音切を起こさないためにそうした方が良さそうです。 インストールは時間がかかりますが、Windowsに任せっきりで大丈夫でした。 一度途中で止まってしまって、もう一度上書きを試みましたがうまくいかず、全部のファイルをHDから削除して再度インストールをし直しましたが、それで問題なくきれいにインストールできました。
インストール後最初にすること
プログラムを立ち上げると最初にSYNTHOGYのサイトが立ち上がってイニシャライズを行う必要があります。 つまりユーザー登録ですね。 このときに注意することは、ネットに常時接続されたPCといつもはネットに接続されていないPCではコンピューターの個体番号が変わってしまうことで、使う環境によってこの番号を正しくイニシャライズしなければIvoryを使うことができません。
次に大切なアップデートのお知らせが出ますが、これをここで行った方が良いでしょう。 Windowsの場合最初はスタンドアローンプレーヤーがインストールされませんが、このアップデートによって使えるようになります。 キーボードを使ってダイレクトにプレイできるようになります。 そしてプログラム自体もかなり改善された物になります。
Ivoryを使うには
VSTやDXiと言ったプラグインの利用できるシークェンサーソフトが必要です。
私の場合Cakewalk Sonarを使っていますが、MIDIトラックの下に「挿入」→「DXiシンセ」→「VST Ivory VST」でIvoryトラックが挿入され、それぞれのMIDIトラックのアウトプットを「VST Ivory VST」にセットすることでIvoryにMIDI信号が送られるようになります。
次にピアノをセットします。IvoryのProgramのプルダウンから好きなピアノをセットします。 ロードにはかなり時間がかかります。 これで音が出るようになります。
いざ音を出してみると
アップデートを行わないでいるとヘンな演奏になります。 音がとぎれとぎれになったり、テンポがめちゃくちゃになったりします。 これはサイトのアップデートで解決できます。 次にIvoryから送り出される音声信号の出先を吟味します。 私の場合、内蔵のサウンドカードでは音がとぎれとぎれになってしまい、USBで接続された外部のデジタルプロセッサーを使っています。(ONKYO WAVIO SE-U55GX)
Ivoryを使いこなすには
まず、MIDIデータもそれなりに良いできにしなければなりません。
当然このIvoryにあわせて作った方が良い物ができます。
そしてIvoryには、ヴェロシティーカーブやリヴァーヴなど、様々なセッティングができるようになっているので、これらをうまく使っていけばリアリティーのある演奏が期待できます。
面白いところ
*サスティンペダルを使った時の開放弦の響きの設定ができる。
*ダンパーペダルやキーノイズの付加ができて、それらのレベルを調節できる。
*リリースノイズやソフトペダル使用時のサンプルが付いている。
*ダイナミックレンジの調整で演出や距離感を変更できる。
*音場を演奏者側と聴衆側に切り替えることができる。
*平均率とストレッチの調律を切り替えられ、音の高さ設定、ファインチューニングが行える。
*実用的なイコライザーやリヴァーヴが設定できる。
*ヴェロシティーセッティングによって既存のMIDIもある程度直しが効く。
*インストゥルメント・ファイルはハードディスクを移動することができ、その場所を簡単にプログラムに知らせることができるので、再インストールの手間がない。→「Program Files」→「Synthogy」→「Ivory」の中のLibraryPath.txtを開いて場所のパスを書き換えるだけ。
*音はべーゼン、スタインウェイともにかなり良い。 表現力豊かなスタインウェイにはちょっと驚き・・・
ちょっと注意するところ
*サイズが大きいので、高速で大容量なハードウェアが必要。
*シークェンサーで走らせているうちにだんだんノイズっぽくなるので、一定時間ごとにPCの再起動が必要になる。
*外部のサウンドデバイスが必要になる場合がある。
最後に 買って良かったか?
これは大正解であったと言える。
値段もそれなりに高いが、利用価値はかなり高いと思う。 他のもう少し安いソフトウェアも候補だったけれども、この音質でこのピアノ達が手元にある満足感はとても高く、単独のピアノ版を複数買うよりもお買い得だと思う。
外部のサウンドデバイスが必要になったときには・・・
EDIROL UA-101
EDIROL UA-101
EDIROL UA-25
EDIROL UA-25
気になるライバル音源・・・
NATIVE INSTRUMENTS: Akoustik Piano 試聴した感じでは、サンプリング時のマイクロフォンの位置が微妙? 左右で音場が違って聞える
East West Samples - PMI Bosendorfer 290 Plug-In べーゼンだけだが、音はIvoryとほぼ一緒。
低価格な分割り切って使いやすいと思える。

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